はじめての釣り入門
DAIWA
11.ブラックバスをいろいろなタイプのルアーで釣る
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ブラックバスはこんな魚

ルアーの人気ターゲットです。北アメリカ南東部が原産で、日本には1925年、芦ノ湖に移入され全国各地に分布。物影を好む肉食性の魚で小魚やザリガニ、カエルなどが好物です。

ポイントはココ

水草や杭、大岩、カケアガリなど、ストラクチャー(障害物)周りに身を潜め、ベイト(エサとなる小魚や小さな虫や動物)が近づくのを待ち構えています。主な棲息地は湖沼ですが河川、野池にも分布しています。

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爆釣へのアプローチ
使用タックル&仕掛け
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クリンチノット

ライトアクションロッドは、小型のミノーやソフトルアーなどが向き、ミディアムライト、ミディアムはスピナーベイトなどの重めのルアーをキャストするのに適しています。

PEラインを使用する場合は、0.6〜1.2号。ショックリーダーにフロロカーボンの10〜16lbを1.5〜2m結び、ビミニツイストセイカイノットのラインシステムを組みましょう。

シーズナルパターン

シーズンごとの特徴を知れば、これから紹介するルアー選びの参考にもなります。チェックしておきましょう。

スポーニング(産卵)の季節で、絶好の釣りシーズンです。魚が活発に捕食するので、ベイトが溜まる場所を探るのも良いですが、究極の狙い目は魚が卵を生み付ける浅場となります。

水温の上昇で水面の溶存酸素量(水に溶け込む酸素の量)が減り、活性(魚の食い気)が比較的低くなります。比較的、酸素が多い場所となる川の流れ込みや水草周りを攻めましょう。

水温が下がってくるこの時期、夏場の酸素不足で弱った体を補おうと元気良くエサを探しだします。狙い目は、ワンド(入り江)付近。ズバリ、釣れます!

寒くなると、水温が高めに安定している深場へ移動。人間同様あまり動かなくなります。しかし、群れている場合があるので、そこを攻めれば、数釣りの期待が大となります。

ロッドアクションを入れた時の各ルアーの動きをしっかりと把握! 攻撃的にブラックバスを探る!!

基本的にロッドとリール、そしてルアーがあればゲームが成立するお手軽なルアーフィッシング! 対象魚で一番の人気は、なんといってもブラックバスです。

攻めるポイントが豊富で、しかもイージー(かんたん)に釣れる。それでいて強烈なファイトが楽しめるので、ルアービギナーにも、もってこいです。

コツさえきちんと押さえれば、コンスタントに釣り上げるのも夢じゃない! いろいろなルアーを使いこなして、バンバン掛けましょう。

さまざまなタイプがあるルアーの特徴を知ろう

“誘惑”するという意味を持つ、ルアー=Lure。つまり、形状や色、音、そして素材などで、魚を誘って釣り上げるってわけです。

ルアーは種類が豊富ですが、ここではブラックバス用のルアーを例にとってカテゴリー別に紹介していきます。

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画像スピナー
金属製の「ブレイド」と呼ぶ回転板が付いています。水中でスピナーを引くと、ブレイドが回り、魚に存在をアピールします。マス類にも効果的です。
画像バイブレーション
バイブの名前通り、小刻みに震えながら泳ぐルアーです。ミノー同様の素材ででき、音が出るタイプと深さに対応した3タイプがあります。
画像スプーン
食事をするスプーンに似ていることから、名が付いたルアーです。マス類にも有効で、金属をプレス加工して作られ、水中で引くとヒラヒラと動き誘います。
画像スピナーベイト
2種類のルアーが組み合わさったルアーで、ブレイドの回転とラバーの揺れで魚を誘います。
画像ポッパー
口が大きく開いた浮くタイプです。水面で引くと、カポッっと音を立ててアピール。素材は硬度なプラスチック製です。
画像バズベイト
スピナーベイト同様、1本の針金でふたつのルアーが付いています。こちらのブレイドはプロペラタイプ。引き波をおこして誘います。
画像ペンシル
ポッパー同様、浮きっぱなしのルアーです。引いてくると、左右に跳ねるように動くのが特徴です。
画像ラバージグ
オモリとハリが一体化した「ジグヘッド」に筋状のゴムのスカートを付けたルアーです。スカート部が小魚に見えたりして、魚を引き寄せます。
画像ミノー
小魚を模した万能タイプで、プラスチックなどでできています。水面に浮くフローティング、水中で静止できるサスペンド、沈むシンキングの3タイプがあります。
画像メタルジグ
ボディ全体が金属でできているルアーで、小魚に似せています。小型でも他のルアーより重いので遠投も可。深場を攻めるのにもピッタリです。
画像クランクベイト
大きなリップ(くちびる)が付いていて、この大きさで潜航深度(シャロー=浅い、ディープ=深い)が変わります。ブラックバス釣りには欠かせないアイテムです。
画像ソフトルアー
柔らかいルアーで、ミミズに似せたワーム型、昆虫の幼虫に似せたグラブ型など種類が豊富にあります。リグ(仕掛け)によっていろいろな誘いがあります。
4つのアクションを覚えればブラックバスの迎撃は可能!

どんな魚を狙うのも、キャストしたルアーをいかにベイトのように動かし誘えるかが、ルアーフィッシングのキーポイントです。ここでは、ブラックバスはもちろん、ルアー全般で使える4つのアクション(誘い)を覚えておきましょう。

ルアーを引くスピードは、自分に取って引きやすいスピード(ミディアムスピードと呼びます)から試しましょう。反応がない場合は、スロー、またはファーストで引くと、魚から何らかのシグナルがやってきますよ。

ステディーリトリーブ

一定のスピードでリールを巻いてルアーを引いてきます。つまりルアー本来の動きのみで誘うアクションです。これだけでも、アピール効果はかなりあり、その日の魚の活性を調べるのにも役立ちます。最初はこれで探りましょう。

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ストップ&ゴー

活性が低い時や、魚に食わせのタイミングを与えたい時に有効なアクションです。ルアーが着水したら、ステディーリトリーブで巻きますが、途中で2〜3秒止めを入れます。これを何度か繰り返すと、ルアーはまるで弱った小魚のように浮き沈みを繰り返す。それを狙って食いつかせるワケです。止めが食わせのタイミングとなります。

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トゥイッチング

ルアー釣りの万能アクションで、逃げ惑う小魚の姿をまねる動作です。ルアーが着水したら、素早くサミング。ベールを返し、リトリーブを開始します。

ルアーが潜航し始めたらロッドティップ(穂先)を小さく鋭く上げるか左右に振ってやりならがら巻き続ける。ルアーがイレギュラーな動きをするように練習し、弱った小魚を演出しましょう。

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ボトムパンピング

ルアーを底でチョンチョンとジャンプさせるアクションです。ラバージグやメタルジグ、ソフトルアーなどで底を探る時に良く使います。

ルアーが着底したら、ロッドティップを跳ね上げて、そのまま落として1〜2秒待ちます。その後は、跳ね上げた時にできるラインのフケを取って、同じ動作を続けます。甲殻類が逃げ惑うイメージで行うと効果的です。

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とりあえず3種類のルアーがあればブラックバス釣りは楽しめる

さまざまな種類のあるルアー。それぞれに、独自のメリットがあり、ここぞって時には必要ですが、正直、すべてを揃えるには、コストもかかります。そこでアドバイスです。

まずは、フローティングミノー、クランクベイト、ソフトルアーの3種類を用意しましょう。

表層をミノー、中層をクランク、そしてボトム(底)にソフトを使えば、すべての層をクリアすることができますからね。

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ミノークランクベイトソフトルアー
表層から探る! これが必勝パターンです!!

いきなりボトムや中層から探るのは止めましょう。活性の高い魚は、常に表層でベイトを探しているものです。底から探りだすと、これらの魚を散らしてしまうので、絶対避けましょう。

まずは表層を探りきってから徐々にレンジ(深さ)を深くして攻める。ルアーを問わず、これが釣りの必勝パターンです。

スピナーベイトとバズベイトは障害物周りに強い

ウィード(藻場)やリリーパッド(ハスやヒシモなどの植物が密集して生えている)、葦などの障害物を気にせず攻められるのが、この2種の特徴です。自重があるので、それらをかき分けて水中に落ちます。さらに各々のブレイドが水流を起こしアピールするので、誘いもバツグン。結果、魚をより誘えることになります。ステディーリトリーブやストップ&ゴーで障害物周りをタイトに攻めて釣果を伸ばしましょう。

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うれしい釣果を強力にサポート! ソフトルアー活用術

柔らかいプラスチックや食物繊維などで作られているのがソフトルアーです。

水中での動きがしなやかになり、魚の食い付きも良し。いまやブラックバス釣りには欠かせないルアーのひとつとなっています。

ソフトルアーはフック(ハリ)無しが多いので、セッティングから学んでいきましょう。

実績が高いグラブ系とストレート系を用意

ソフトルアーは、ザリガニからミミズ、小魚など、ボディやテール(尻尾)の形状で、実にさまざまなベイトを模しています。

それぞれに特性があるのですが、あえて、万能タイプと言うなら、イモムシ型のグラブと、先端が細くなるストレート系をオススメします。比較的、良い釣果が得られています。

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根掛かりしにくいオフセットフックを使用

ソフトルアーのフックには、いろんなタイプがあります。ビギナーは現在、もっとも人気があり、根掛かりしにくいイラスト左上の「オフセットフック」を使って、まずは一尾を目指しましょう。

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グラブにオフセットフックをセット
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(1)まずグラブ先端の中央部にハリ先を刺します。
(2)クランク状に曲がっている軸の長さ分を刺し込んで、ハリ先をイラストのように抜きます。
(3)軸まで刺し込んだら180度反転させます。
(4)予めグラブとフックを重ねて、ハリのふところ(曲がり)がボディを横断するラインを確認します。
(5)ソフトルアーの伸縮性(柔らかいゴム製)とふところの長さを考慮して、イラストのようにクラブのボディを曲げ、(4)のラインにハリが入るように刺し込みます。
(6)ボデイを貫通させ、グラブを真っ直ぐにします。
(7)ハリ先を2mm程ボデイに埋め、根がかり防止対策をして完了です。
リグ別攻略法を学んでブラックバス釣りの達人になろう

ソフトルアーのリグには、「シンカー」と呼ぶオモリをつけるタイプ(オモリを打つ位置で名称と用途が変わる)とノーシンカー(オモリなし)があります。

ちょっと複雑だけど、それぞれの使い分けができれば、ブラックバス釣りに怖いものはナシ! ポイント別のリグとアクションを紹介します。

ちなみにラインとフックは、「クリンチノット」で結びましょう。

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ジグヘッドリグスプリットショットリグノーシンカーリグ
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ダウンショットリグ
見えるバスには… ノーシンカーリグまたはスプリットショットリグ

ノーシンカーは、オモリを付けないだけに飛ばしにくいが、より自然なアクションで誘えるメリットがあります。

スプリットは、ラインにシンカー(ガン玉)を付けるので繊細なアクションを演出できます。通常はルアーから15cm程度上にシンカーを打ちます。

このふたつで、表層を引いてみましょう。バスの奥にキャストして目の前を通過させるように誘えば、効果テキメンです。
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ゴロタや大岩の影には… ジグヘットリグやテキサスリグ

ジグヘッドは、シンカーとハリが融合した画期的なフックを使ったリグです。シャープな動きが可能で、思いのままのアクションができます。

テキサスは、シャロー(浅瀬)でもディープ(深場)でも、はたまたウィードエリアでもお任せの万能タイプです。ラインにシンカー(中通しタイプ)とビーズを通し、ルアーを付けるだけのかんたんシステムで、アタリがとりやすいのが特徴です。

ロッドの穂先をチョンチョンとアオリながらリールを巻くボトムパンピングで、ソフトルアーが跳ねているようにアクションさせます。バスが底付近に移動する日中にも使えるテクです。
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カケアガリは… スプリットショットリグ

スプリットは直接、ラインにシンカーを付けるので繊細なアクションを演出できます。通常はルアーから15cm程度上にシンカーを打ちます。ちなみに、こちらを遠投バージョンにしたのがキャロライナリグで、20g程度の中通しシンカーをルアーの上30cmに付けます。良く飛び、アクションを付けるとルアーが浮く状態になります。ヨリモドシを付けて作りましょう。

ボトムをトレース(地形通りに)するようにソフトルアーをズル引きして攻めましょう。こちらも水温が上がる日中に底を探る技です。
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ダウンショットリグの作り方:フックの軸についているアイ(環)にラインを30〜40cm通し、「外掛け結び」で結ぶ。その後、ラインの先端を「8の字結び」で結び、ガン玉をつけて終了です。
深場や橋脚周り、桟橋の奥は… ダウンショットリグまたはノーシンカーリグ
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ダウンは、良く飛び、根掛かりが少ないのが特徴で、ロッドをシェイクしてルアーをアピールさせます。ソフトルアーに慣れてしまった(スレた)ブラックバスに効果があり、小さなブラックバスはもちろん、大型まで狙えます。

両リグとも落とし込んで誘います。ダウンは、オモリでボトムをとらえたら、シェイキングで誘うと効果的で、ノーシンカーは落とし込みを繰り返します。
食い渋りにはワッキーリグも試そう

ダウンショットリグのソフトルアーをストレート系に変えて、真ん中にフックをチョン掛けするのがワッキーリグです。シェイキングでネチネチと誘うと効果があります。